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【プログラミング】解けない方程式を解きたい!【数値解析:ニュートン法①】

本日も、りけいのりからお届けします。

 

今回は,

解けない方程式を解く!

をテーマにしていきます.まずは,解けない方程式ってどんなものかを説明し,具体的に解く手順を説明していきます.

そして,次回以降,実際にC言語でプログラムを書き,解いていきます.

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 解けない方程式

皆さん,以下の式を解いてみましょう!

\displaystyle{ 8x + 4 = 36 }

中学校一年生の一次方程式の問題ですね.答えは次のようになりますね.

\displaystyle{ x = 4 }

これは,線形方程式(linear equation)に分類されます.これに対して,非線形方程式(nonlinear equation)もあります.この,線形と非線形の言葉については別の機会に説明しますが,簡単に紹介すると,厳密には違いますが,なんとなく線形は「直線的」というイメージでいいと思います.話を戻します.非線形方程式の例は以下の通りです.

 

\displaystyle{  x^4 - 7x^3 + 4x^2 - x + 5 =  0}
 
\displaystyle{  \frac{ 4x - 5 }{ x^2 - 5x  +5 } +  \frac{ x + 2 }{ x^2 -  1}  + 3x = 0}
 
\displaystyle{ ( x - 3 )^{\frac{5}{2}} + ( x^2 - 5 )^{\frac{4}{3} }= 0 ) }
 
\displaystyle{ e^x - sin x - 2 = 0}

 

もちろん,非線形方程式のすべてが解くことができないわけではありません.解くことができる方程式もたくさんあります.しかし,これから,紹介する方法を使えば,だいたいの方程式を解くーその方程式を満たす未知数の値を導くーことができます.もちろん,場合によっては解けない場合がありますが,普通は解けます.

 

 ニュートン法

それでは,解けない方程式を解いていく手順を紹介します.まず,今回はニュートン法の手順を説明しますが,ほかにも,反復法と呼ばれる手順もあります.

まず,未知数を\displaystyle{ x }として,その方程式の項を左辺にまとめ,右辺をゼロにしたものを

\displaystyle{ f(x)  =  0}

と表現します.この方程式を満たす,\displaystyle{ x }を近似的に求めていきます.

ここで,このニュートン法の理解のコツとして,図を用いて説明していきます.この\displaystyle{ f(x) }を関数として,

\displaystyle{ y = f(x)  }

と考えると,求める解は以下の図の\displaystyle{ y = f(x)  =  0}を満たす点,つまり,軸との交点ということがわかります.

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では,具体的な手順を見ていきます.

  1. 初期値\displaystyle{ x^{(0)} }の点で垂線を引きます.この\displaystyle{ x^{(k)} }は,微分や累乗を表しているのでなく,k回目の計算で求めた解という意味で,第k次近似解とか言われます.この初期値\displaystyle{ x^{(0)} }は,適当に決めます.大体の場合は,どんな値にしても最終的にはうまくいきます.

  2. 曲線\displaystyle{ f(x) }との交点をAとします.

  3. A点での接線の方程式を立てます.
    \displaystyle{ y - f(x^{(0)} )= f'(x^{(0)}) ( x - x^{(0)})  }

     より

    \displaystyle{  y = f'(x^{(0)}) ( x - x^{(0)}) + f(x^{(0)} ) }

  4. その接線と水平軸との交点をBとし,座標値\displaystyle{ x^{(1)} }とおきます

     上の接線の式より次のように求まります.

    \displaystyle{  0 = f'(x^{(0)}) ( x - x^{(0)}) + f(x^{(0)} )  }
    線の方程式を立てます.
    \displaystyle{ x^{(1)}  =  x^{(0)} - \frac{f(x^{(0)})}{f'(x^{(0)})} }

  5. この操作を繰り返す.
    一般に,\displaystyle{ x^{(k+1)} }は次のように表せます.
    \displaystyle{ x^{(k+1)}  =  x^{(k)} - \frac{f(x^{(k)})}{f'(x^{(k)})} }

  6. 操作を繰り返すにつれて,\displaystyle{ x^{(k+1)} }は限りなく\displaystyle{ f(x)  =  0}の解に近づいていきます.

 以上です!こんな手順です!

手順はわかったけど,まだなんかしっくりこないなあ,,,って人が多いと思います.

それは当然で,実際にこれを利用した具体例がないとイメージがわかないと思います.

計算例

具体例を,計算してみましょう.

 

\displaystyle{  x^{2}  =  3  }ニュートン法で解け.

 

この問題は,別に数値解析でなくても解けますね.この解は,

\displaystyle{  x = \pm{\sqrt{3}}  }

ですね!だいたい,1.7320508・・・(ひとなみにおごれや)ですね.

では,これを,ニュートン法を用いて解いたとき,どうなるか見ていきましょう.

 

まず,次のように変形します.

\displaystyle{ f(x) = x^{2}  -  3  = 0  }

この時,以下のように計算できます.

\displaystyle{ f'(x) = 2 x }

これらを用いて,以下のようにニュートン法の計算を行います.

\displaystyle{  x^{(k+1)}  =  x^{(k)} - \frac{ (x^{(k)})^{2}  - 3 }{ 2 x^{(k)} } }

となります.ちなみにですが,私の場合以下のように変形します.計算ミスを減らすためです.累乗の計算をしなくて済みます.

\displaystyle{  x^{(k+1)}  =  \frac{ 1 }{ 2 } ( x^{(k)} + \frac{ 3 }{ x^{(k)} } ) }

では,さっそく計算してみましょう.ここでは,初期値を\displaystyle{ x^{(0)}  = 2.0 }とします.

 \begin{eqnarray} x^{(1)}  &=&   \frac{ 1 }{ 2 } ( x^{(0)} + \frac{ 3 }{ x^{(0)} } )  \\  &=&  \frac{ 1 }{ 2 } ( 2 + \frac{ 3 }{ 2 } )  \\ &=&  1.75 \end{eqnarray} 

次も行きます!

 \begin{eqnarray} x^{(2)}  &=&   \frac{ 1 }{ 2 } ( x^{(1)} + \frac{ 3 }{ x^{(1)} } )  \\  &=&  \frac{ 1 }{ 2 } ( 1.75 + \frac{ 3 }{ 1.75 } )  \\ &=&  1.732142857 \end{eqnarray} 

 \begin{eqnarray} x^{(3)}  &=&   \frac{ 1 }{ 2 } ( x^{(2)} + \frac{ 3 }{ x^{(2)} } )  \\  &=&  \frac{ 1 }{ 2 } ( 1.732142857 + \frac{ 3 }{ 1.732142857 } )  \\ &=&  1.73205081\end{eqnarray} 

 以上です!だいぶ,\displaystyle{  \sqrt{3}  }に近い値が計算で求まってきましたね!これをずっと繰り返すと,さらに精度が高まってきます!

 

ですが,ここで,気づいてほしい問題が2つあります.

1つ目は,もう一つの解の\displaystyle{ - \sqrt{3}  }の結果が得られなかったこと.ちなみに今回も含め,大体の場合,初期値の与え方で,ほかの解も得られます.

2つ目は,初期値を\displaystyle{ x^{(0)}  = 0.0 }とすると,分母がゼロとなり,計算ができないこと.

今回はそこまで詳しい考察はしませんが,ニュートン法を利用される際は,正解が複数個あるときの初期値の与え方や,初期値の与え方による計算の変化,について検討が必要です.

おわりに

いかがでしたか?

 

もし,どうしても解けない方程式があなたの目の前に現れても,あっても今日の方法を使えば,何とか太刀打ちできます.

しかし,このニュートン法には繰り返しの処理が必ず必要です.今回の計算例では,すぐに大体の値に答えが収束しましたが,場合によっては50回,100回繰り返す必要が出てきます.このため,コンピュータを使っていきます!

次回は,ニュートン法での方程式の解法を,本格的にC言語でコンピュータでの計算を詳しく行っていきましょう!

www.rek2u.com

本日も、りけいのりがお届けしました。

参考文献

1)高橋麻奈『やさしいC 第4版』 風工舎

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 2)安田仁彦 『数値解析基礎』 コロナ社 

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