本日も、りけいのりがお届けします。
今回から、【科学イラストレーション入門】と題して、新シリーズの連載です。
対象読者は、
- お金はかけずにプレゼン/ポスターで使うイラストを描きたい理系の学生
- シンプルなアイコンのイラストを短時間で作成できるようになりたいビジネスパーソン
- パワーポイント初心者で、その扱い方に慣れたいOffice初心者
と、幅広い方を対象としています。
本"科学イラストレーション講座"に必要なのは、
- MicrosoftのOffice
のみです。お持ちのパワーポイントを開き、ファイル→アカウントの順に進んでください。
製品情報として、ライセンス認証が上記のようになっていればOKでしょう。
動作環境は、以下の通りです (確認手順: ①windowsキー+R②winverと入力)。
何でも、りけいのりで使われているイラストのほとんどは、パワーポイントで作成されたものです。パワーポイントは、"プレゼン資料を作るためのツールである"、という固定概念を、このシリーズにて覆していければと思います。
それでは、広くて深い、Office・パワーポイントの世界へご案内しましょう。
イラストレーションの重要性から考える
モチベを高めるところから始めよう
今回より、"科学イラストレーション"の執筆を開始する訳ですが、まずはモチベーションを高めるところから開始します。
この連載を終える頃に、あなたは次のようなイラストを描けるようになっています。
以上のイラストは全て、パワーポイントを使用して作成しました。実は、その汎用性はすさまじくて、思いついたイラストに関するアイデアは、大体パワーポイントで表現できます。
ビジュアルという表現のもつ力は、凄まじく、多くの研究からも科学的に裏付けられています1)。
ポストコロナ時代において、ビジュアルによるコミュニケーションはますます重要になります。それは、不必要なオフラインの接触が少なくなり、オンライン上での自己表現、企画提案、研究発表が増えるからです。これは、多くのビジネスパーソンや研究者が、体感していることでは無いでしょうか。りけいのりも、今年予定されていたオフラインでの国際学会が中止となり、軒並みオンライン学会に移行しています。
(学会×観光という、学会発表の1つの醍醐味が無くなってしまうのは悲しいことです)
オフラインのコミュニケーションでは、
- 話と話の間の微妙な間
- 聞き手の反応
- 話し手と聞き手の小気味良いコミュニケーション
が存在します。このようなプロセスを経ることで、実感の伴う形で仲間が増えていきます。一方、オフラインでは以上の点が"そぎ落とされ"てしまいます。多くの方が、今までとは異なるコミュニケーションに、困惑しているのではないでしょうか。
コミュニケーションで重要なのは、"お互いの頭の中身"が共有されることです。それを円滑にする潤滑油こそが、"話と話の間の微妙な間"など上記にあげた点となります。
今回提案するのは、自分の頭の中を可視化して相手に伝える、"科学イラストレーション"なので、より直接的にお互いの頭の中身を共有できるようになります。
では、そもそも科学イラストレーションとは、どのようなイラストレーションを指すのでしょうか。
科学イラストレーションとは
サイエンティフィックイラストレーション(科学イラストレーション)の非営利団体である雅楽堂によると、、
科学イラストレーションとは、
- 科学的知識を記録,表現,伝達 する説明図のこと
- 人の手によってデザインされた、科学的な知識の表現物
(雅楽堂HPより引用、科学イラスト(Scientific illustration)とはなにか2))
とあります。つまるところ、科学ベースのコミュニケーションを行う際に利用される表現物ということです。ここでは、より具体的に、"表現物→図解画"とします。
科学イラストレーションの前準備
本シリーズを始めるに当たり、まずはパワーポイントの前設定を行いましょう。かなり初歩的な内容も含まれるので、内容を理解している方は飛ばして頂いて構いません。
パワーポイントファイルを作ってみる
まずは、今回の科学イラストレーションを行うに当たり、専用のフォルダーを作成しましょう。
ショートカットコマンド、"Ctrl+E"でエクスプローラーを開きます。適当なフォルダの中に、適当な名前のフォルダを作りましょう。
適当なフォルダをクリックして、適当なフォルダ内に移動します。
ここで、右クリックを押すと、こんなウィンドウが出てきます。新規作成→Microsoft PowerPoint プレゼンテーション、で新しいパワーポイントファイルを開きます。
ここで、日付を最初に挿入しておくと、あとで開くときに便利でしょう。
それでは、ファイルを開きます。ひとまず、このような画面になれば成功です。
ここから、
デザイン→スライドのサイズ→ユーザー設定のスライドサイズ
を開きます。
"幅、高さともに100 cmに設定→OK→最大化"とします。まぬけなスライドの完成です。
続いて、次の操作を行ってください。
- ホーム→新しいスライド(逆三角形マークをクリック)→白紙
真っ白なキャンバスの完成です。
ここで、1 m四方に設定したのは、大きなスライドサイズでイラストを作成することで、イラストのざらつきを抑制し、高解像度化を図るためです。
続いて、クイックアクセスツールバーの設定です。
キーボードでいう、ショートカットコマンドのようなもので、頻繁に使用するパワーポイント上の操作をワンクリックで行うことができます。設定は簡単です。例えば、イラストの作成に補助線を頻繁に使うとします。その場合、以下の手順を踏んでください。
- 表示→グリッド線(表示)の上で右クリック→クイックアクセスツールバーへ追加
これで、クイックアクセスツールバーへのコマンド追加ができます。
ここでおすすめしたいコマンドは、
- 最前面へ移動
- 最背面へ移動
- グループ解除
- 図形
です。是非追加してみて下さい。これにより、作業の効率は飛躍的に向上します。
今回の内容はここまでです。
おわりに
いかがでしたか? 今回の記事は、科学イラストレーションの重要性について考えていただくことでした。是非、これを機に科学イラストレーションを始めてみてはいかがでしょうか。
次回、"【科学イラストレーション入門】立体感の出し方【第2回】"でお会いしましょう!!
以上、りけいのりがお届けしました。
参考文献
1) PricewaterhouseCoopers (2017), The Power of Visual Communication Showing your story to land the message.
https://www.pwc.com.au/the-difference/the-power-of-visual-communication-apr17.pdf
2) 雅楽堂、科学イラスト(Scientific illustration)とはなにか、Accessed: 2020/10/25.