本日も、りけいのりがお届けします。
今日の記事は、
- 人生に行き詰っている方
- これからの時代に不安を感じている方
そんな方に向けて書きます。
参考文献は、言わずと知れた名著、
- チーズはどこへ消えた? / Who Moved My Cheese ?
- 迷路の外には何がある? / Out of the Maze
です。とは言っても多くのサイトでその中身は取り上げられているので、ここではイノベーター理論の観点で考察します。
イノベーター理論について
イノベーター理論は、エベレット・M・ロジャース教授の著書、
Diffusion of Innovations (1962)
にて初めて提唱されました。本書は、日本語では普及学として知られており、全世界でも広く読まれています。中でも、一番よく知られる図は、これではないでしょうか?
新規なアイデアや事業に対しての、人間の姿勢を端的に反映しています。ここでの登場人物は、次の5種類の人間です1)。
- イノベーター (2.5%):新しさに価値を感じる
- アーリーアダプター (13.5%):新しいことに積極的
- アーリーマジョリティー (34.0%) : アーリーアダプターに追随する
- レイトマジョリティー (34.0%) : アーリーマジョリティーに追随する
- ラガード (16.0%) : 新しいことに消極的
ここで、重要なポイントを一つ。
生き物の性質からイノベーター理論における人口分布を眺めたとき、より普通なのはラガードだということです。つまり、生物としての本能が、人間をラガードにさせます。
生物学的な観点では、自身の遺伝子を有する個体を生成するまで生きることが重要です。つまり、繁殖するまでは生き延びる必要があります。
ここから生き物は、安全な方を好み、危険を恐れるという性質を獲得します。
というよりは、安全な方を好み、危険を恐れる個体が生き残ってきたので、そのような性質が生き物に残ったとみて取れます。
数十年前にホモサピエンスが誕生してから過去数千年までは、少なくともその原則は人間にも成立していました。マンモスを追いかけていた時代、狩猟民族の時代です。でも、当時と比較して大きく状況が変化しました。変化した点を大きく分けると、
これらの要因を複合すると、"安全な方を好み、危険を恐れる"という生き物の性質はもはや無用の長物と化しました。そんな時代を生きる、我々現代人に贈られた書こそが、
- チーズはどこへ消えた? / Who Moved My Cheese ?
- 迷路の外には何がある? / Out of the Maze
なのです。
チーズはどこへ消えた? / Who Moved My Cheese
ここでは、"チーズはどこへ消えた?"について、あらすじから説明します。
登場するキャラクターは、以下の4人 (匹?) です。
ヘム、ホー、スニッフ、スカリーはそれぞれ、迷路の中で生活しています。彼ら/彼女らには共通の目的、チーズがあります。迷路のどこかにチーズが隠れていて、それを探す日々が続きます。
ヘムとホーは小人であり、スニッフやスカリーと比べて、考えることが得意です。
スニッフやスカリーはネズミであり、チーズにたどり着くまで動き続けます。
ある日、そこにあったはずの沢山のチーズが、忽然と姿を消してしまいました。
彼ら/彼女らには死活問題。それぞれ異なる性格の持ち主である、ヘム、ホー、スニッフ、スカリーは、この問題にどのように対処するのでしょうか。。。
以上が、物語前半部のあらすじです。
※ここからは、多少のネタバレを含みますので、ご注意ください。※
結果的に、ネズミであるスニッフとスカリーが、新たなチーズにたどり着きます。少しして、小人のホーもたどり着きます。ヘムは、たどり着けずに物語は幕を閉じます。
ここで、イノベーター理論の枠組みでは、
- イノベーター:スニッフ、スカリー
- アーリーアダプター:ホー
- ラガード:ヘム
となるでしょう。では、この物語な何を伝えているのでしょうか。
それは、
- 変化は常に起こっている
- 複雑な思考ではなく、多くの試行が重要である
ということでしょう。なので、冒頭申し上げた、
- 人生に行き詰っている方
- これからの時代に不安を感じている方
にとって、このメッセージは少し心をくじいてしまうことかと思います。しかし、この物語には続編があります。
迷路の外には何がある? / Out of the Maze
"チーズはどこへ消えた?"の続編は、"迷路の外には何がある?"です。
ここでの主人公は、前作にてチーズを見つけられずに終わったヘム。彼は、先だったホーを後目に、何を考えたのでしょうか。詳しい内容は、是非ご自身で読んでみて下さい。ここでは、物語の結末だけお話します。
ヘムは最終的に、チーズではなくリンゴを食べることで生き延びます。お宝がチーズであるという固定概念から解放されます。最終的には、迷路という固定概念すらも脱出しました。
道中では常に、ホーの背中と自分の考えについて思いをめぐらせていたヘム。もがき、苦しんだ末に、やっと変わることができました。ここには、重要なメッセージが含まれています。
- 人間は、置かれた環境により変化する生物である
ということです。スニッフ、スカリー、ホーと出会っていなければ、一生迷路の中で、現状に満足して、一生を終えたであろうヘム。彼は、周りからの影響を受けて、ついにはラガードからアーリーマジョリティーくらいにはなれたのです。
人間は、もともと自分の理想があるからこそ絶望します。
そして、やがては理想すらも見失ってしまいます。
変化の多い現代において、心はどんどん疲れていきます。
だからこそ、一度
- 周りの声や目
- 混迷を極める社会
- 乱立するマスメディア
から離れてみて、自身の内側に目を向けてみる。
自分の中で変わらない、素晴らしい何かを考えてみる。
そして、そんな人と知り合う、そんな人のいる環境に飛び込んでみる。。
そうすれば、イノベーター理論の枠組みを飛び越えて、自身の性質を変えることができるでしょう。
おわりに
今回は、りけいのり独自観点で、
- イノベーター理論
- チーズはどこへ消えた?
- 迷路の外には何がある?
を交えてお話してみました。混迷を極める現代を生きるあなたにとって、何かヒントがあればうれしく思います。
もし、を読んだことの無い方がいたら、読んでみることを強くお勧めします。
- 一冊当たり1時間程度
- 一冊当たり800円程度
で、人生に対して多くの洞察を与えてくれることでしょう。
本日は、毛色を変えて、"どう生きるか"についてお話してみました。
以上、りけいのりがお届けしました。
参考文献
1) イノベーター理論について, Accessed: 20201005.