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【応用数学】微分方程式の応用例 :力学編【微分方程式①】

本日も、りけいのりからお届けします。

 

微分方程式って何をしているのかよくわからない」

微分方程式ってどんな場面で使うんだ??」

 

という方が結構います.そこで,微分方程式の勉強をしようと,教科書の最初のページを開くと,

未知関数,独立関数,一階,二階,一般解,特殊解,線形,斉次,,,,,

など,たくさんの言葉が出てきてわかりにくいです.

 

そこで,ここでは,工学上応用されている,微分方程式をたくさん例示して,

微分方程式のイメージがつかめた気がする!!」

微分方程式ってこういう場面で使うんだ!!」

となることを目指していきます!

そのため,難しい言葉の説明,詳しい解き方などは次回以降に紹介します.

 

 

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微分方程式とは

ある独立変数\displaystyle{x }に対する未知関数\displaystyle{ y = f(x) }導関数\displaystyle{ \frac{dy}{dx} }を含む方程式を微分方程式と呼ぶ.

 

そして,微分方程式を満足し,独立変数\displaystyle{x }に対する未知関数\displaystyle{ y = f(x) }を,導関数\displaystyle{ \frac{dy}{dx} }を含まない関係式へ導くことを,微分方程式を解くという.

  

よくわかりませんね.

そこで,以下の例題から,説明していきます.

繰り返しになりますが,今回は用語の詳しい説明はせず紹介のみです!次回以降に詳しく説明します.ここでは,ぜひ,微分方程式のイメージ」をつかんでみてください!

微分方程式の例1:力学(質点の落下)

地上から,初速度\displaystyle{v_0}で質点\displaystyle{m}を鉛直上向きに投げ上げるとする.地面から鉛直上向きを\displaystyle{x}軸としたとき,時間\displaystyle{t} に対する質点の変位\displaystyle{x}を求めよ.またこの時,重力加速度を\displaystyle{g},地面を\displaystyle{ x=0 } ,投げ上げた瞬間の時間を\displaystyle{ t=0 } とする.

 

まず,この時初期条件は以下のようになります.

 \displaystyle{ t = 0 } の時,\displaystyle{ v = v_0 } , \displaystyle{ x = 0 }

次に,質点に働く力は重力のみです.よって以下の図のようになります.

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質点の落下

ここで,変位\displaystyle{x} と速度\displaystyle{v} と加速度\displaystyle{a}にはつぎのような関係があります.

\displaystyle{ a = \frac{dv}{dt} = \frac{d^2x}{dt^2} }
\displaystyle{ v = \frac{dx}{dt} }

よって,運動方程式が次のようになります.

\displaystyle{ m \frac{d^2x}{dt^2} = -mg }

これが,いわゆる微分方程式です.次にこの微分方程式を解いていきます.

まずは,速度\displaystyle{v}を利用して

\displaystyle{ m \frac{dv}{dt} = -mg }

このように,微分方程式を書き直します.

ここで,両辺を独立変数\displaystyle{t}積分します.このとき,不定積分なので,積分定数\displaystyle{A}が出てきます.

\displaystyle{ \int m \frac{dv}{dt} dt  \ = - \int mg dt  \ + A }
\displaystyle{ v = -gt + A }

よって,速度について解くことができました!さらに解法を続けます.まず,速度\displaystyle{v}を変位\displaystyle{x}で置き換えます.

\displaystyle{ \frac{dx}{dt} = -gt + A }

同様に,両辺を独立変数\displaystyle{t}積分します.この時,積分定数\displaystyle{B}とおきます.

\displaystyle{ \int \frac{dx}{dt} dt  \ = \int (-gt + A) dt  \ + B }
\displaystyle{ x = -\frac{1}{2}gt^2 + At + B }

よって,位置\displaystyle{x}について解くことができました!これが,一般解です.

そして,ここで,初期条件を用いて,積分定数\displaystyle{A}\displaystyle{B}を定めていきましょう.

初期条件を用いて,求めた一般解に代入して解くと,

\displaystyle{ A = v_0 }
\displaystyle{ B = 0 }

このような結果になります.よって,これを一般解に代入すると,こうなります.

\displaystyle{ x = -\frac{1}{2}gt^2 + v_0t }

これは,特殊解と呼ばれます.

 

これで,問題が解けましたね!ちなみに,この解法は変数分離形と呼ばれます.

せっかくなので,速度\displaystyle{v}も求めてみましょう.

\displaystyle{ v = -gt + v_0 }

となります.ここで,時間\displaystyle{t}に対する速度\displaystyle{v}と変位\displaystyle{x}の変化をグラフに表してみます.

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質点の落下における時間と変位の関係

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質点の落下における時間と速度の関係

微分方程式を解き,一般解を求め,初期条件を利用して,特殊解を求めると,時間に対する質点の位置や速度が定まりましたね! 

微分方程式の例2:力学(空気抵抗を受ける物体の落下)

地上から,初速度\displaystyle{v_0}で質点\displaystyle{m}を鉛直上向きに投げ上げるとする.また,物体は速度の2乗に比例して比例定数\displaystyle{c}の空気抵抗を受けるとする.地面から鉛直上向きを\displaystyle{x}軸としたとき,時間\displaystyle{t} に対する質点の速度\displaystyle{v}を求めよ.またこの時,重力加速度を\displaystyle{g},地面を\displaystyle{ x=0 } ,投げ上げた瞬間の時間を\displaystyle{ t=0 } とする.

 

同様に解いていきます.

まず,初期条件は以下のようになります.

 \displaystyle{ t = 0 } の時,\displaystyle{ v = v_0 } , \displaystyle{ x = 0 }

次に,質点に働く力は重力と空気抵抗です.よって以下の図のようになります.

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空気抵抗を考慮した質点の落下


全問と同様に,変位\displaystyle{x} と速度\displaystyle{v} と加速度\displaystyle{a}にはつぎのような関係があります.

\displaystyle{ a = \frac{dv}{dt} = \frac{d^2x}{dt^2} }
\displaystyle{ v = \frac{dx}{dt} }

よって,運動方程式が次のようになります.

\displaystyle{ m \frac{d^2x}{dt^2} = -mg -c(\frac{dx}{dt})^2}

これが,同様に微分方程式です.次にこの微分方程式を解いていきます.

まずは,速度\displaystyle{v}を利用して

\displaystyle{ m \frac{dv}{dt} = -mg -cv^2 }

このように,微分方程式を書き直します.

ここで,この後の積分を考慮して変形します.この変形は,とにかく慣れです!たくさん練習して見極められるようになりましょう.イメージは左辺に未知関数を,右辺に独立関数を集めることです!

\displaystyle{ \frac{m}{c} \frac{1}{ \frac{m}{c}g +v^2} \frac{dv}{dt} = -1 }

両辺を独立変数\displaystyle{t}積分します.このとき,積分定数\displaystyle{A}とします.

\displaystyle{ \frac{m}{c} \int \frac{1}{ \frac{m}{c}g +v^2} \frac{dv}{dt} dt  \ = - \int  dt  \ + A }
\displaystyle{ \frac{c}{m} Arctan\frac{c}{m}v= -t + A }
\displaystyle{ v=\frac{m}{c}tan(\frac{m}{c}(-t + A ))}

よって,速度について解くことができました!さらに解放を続けます.まず,速度\displaystyle{v}を変位\displaystyle{x}で置き換えます.

\displaystyle{ \frac{dx}{dt} = -gt + A }

同様に,両辺を独立変数\displaystyle{t}積分します.この時,積分定数\displaystyle{B}とおきます.

\displaystyle{ \int \frac{dx}{dt} dt  \ = \int (-gt + A) dt  \ + B }
\displaystyle{ x = -\frac{1}{2}gt^2 + At + B }

よって,位置\displaystyle{x}について解くことができました!これが,一般解です. 

おわりに

いかがでしたか?

 

今回は,微分方程式のざっくりの説明と,物理の力学で応用されている微分方程式を例示しました.

しかし,世の中にはまだまだたくさんの微分方程式が存在します!

 

次回は,工学(電気回路・材料力学・機械力学)で応用されている微分方程式の具体例を紹介していきます

 

本日も、りけいのりがお届けしました。

 

参考文献

1)矢野健太郎 石原繁 (1981),基礎解析学(改訂版)第38版,裳華房

2)高遠節夫 ほか (2014),新応用数学 4版,大日本図書

3)馬場敬之 ,スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ 改訂2,マセマ

4)西巻正郎 森武昭 荒井俊彦 (1990),電気回路の基礎(第三版),森北出版株式会社

5)西巻正郎 下川博文 奥村万規子 (1995),続 電気回路の基礎(第三版),森北出版株式会社

6)西村尚 (1988),ポイントを学ぶ材料力学(第36版),丸善出版

7)西村尚 (2004),機械力学(第12版),コロナ社