本日も、りけいのりからお届けします。
ここでは,あくまで厳密な数学ではなくて,工学への応用を前提として,数学を紹介していきます.昔,先生が以下の図を用いて説明していたのを覚えています.
数学はどの分野を勉強するうえでも基本だとおっしゃっていました.そして,その分野とも密接にかかわっているとも.
まず,りけいのりが数学を勉強するうえで,大切だと思っていることを紹介します.
小説・漫画の「数学ガール」に登場するセリフです.
「ただし,《たくさん》できるという表現より,《複数個》あるいは《2個以上》できるという表現のほうがよい.なぜかというと,そのほうがー」
「-厳密になるから?」テトラちゃんがすかさず言う.
「その通り.《たくさん》という表現は厳密じゃない.何個以上ならたくさんのなのか,はっきりしないからね.」
「先輩・・・・何だかあたし,頭の掃除をしていただいているみたいです.《定義》のこと.《例示》のこと.《素数》《素因数分解》《一意性》・・・・そして,厳密に言葉を使うこと.数学って言葉が大事なんですね」
「その通り!君は賢いね.数学は言葉を大事にする.できるだけ誤解が生じないようにするために,数学は言葉を厳密に使うんだね.そしてー厳密な言葉の最たるものが数式だ」
「数式・・・・」
知っている数式を使うだけなら言葉を厳密に考える必要はないかもしれません.しかし,初めて勉強すること,理解が難しく壁に当たった時は,この「言葉」が理解を助けてくれると思います.この記事では,しっかり,言葉を大切にしていきます.
余談ですが,「数学ガール」はとてもお勧めの作品です.ぜひご覧ください!
しかし,もちろん言葉だけでは,解決しないことがあります.そんなときは,図示と例示です.これにより理解がグッと進みます.
昔,りけいのりは塾講師をしていました.個別の授業で高校生に三角関数,微分積分,ベクトルを教えるとき,物理を選択している生徒には物理の例を多用して教えました.こうすると多くの生徒が,多少,理解を深めることができていました.
高校生のレベルからアップして,大学数学も同じだと思っています.例えば,ベクトル解析は,電磁気学,流体力学などの例を使うと,とても分かりやすいです.
ここでは,ベクトル解析の勾配を,電磁気で例にとって説明していきます.
正の点電荷からは,電気力線が以下のように放射状に分布します.本来は,3次元空間に広がっていきますが,図は二次元平面のものです.
次に,を電界,
を電位とすると,つぎのような関係があります.
書き方を変えると,こういうことです.
もちろんこの時,電界はベクトル,電位
はスカラーです.このイメージを同様に二次元平面上の原点に点電荷があるときで以下の図で紹介します.注意してほしいのは,この図では縦軸が z軸ではなく,電位
です.本来は縦軸が z軸ですが,今回はわかりやすくするために,電位
としています.
つまり,図のようにある一点に注目し,この図のxy平面を以下に示す以下のようになります,
電界の向きと電気力線の向きは一致しますので,たしかに,外側に放射状に向いています.
少し,雑な説明ですみません.
このように,ベクトル解析の勾配など,数学だけでは理解が難しい事柄を他の学問と合わせて,理解を深めることができます.
おわりに
いかがでしたか?
繰り返しになりますが,このカテゴリでは,厳密な数学ではなくて,工学への応用を前提として,数学を紹介していきます.
そして,このカテゴリでは,言葉を大切にしていき,より理解を進めるため図示と例示を多用していくつもりです.
これからのシリーズ,楽しみにしていてください!
本日も、りけいのりがお届けしました。
参考文献
1)矢野健太郎 石原繁 (1981),基礎解析学(改訂版)第38版,裳華房
2)高遠節夫 ほか (2014),新応用数学 4版,大日本図書