りけいのり

かがくをやさしくおもしろく

【単純接触効果】恋の本質は会う回数?! ビジネスにも?!!

本日も、りけいのりからお届けします。

 

今日は、ちょっと詐欺ったかもしれません。"恋の本質"を語れるほど、りけいのりは恋愛経験豊富ではありません。ここで、

  • "確実にあの人を落とせる○○テクニック 8選!!"
  • "恋愛の本質的な意味は、◆◆だった?!"

みたいな内容を期待される方はお引き取り下さいませ。でも、恋愛を成就させるうえで、幾ばくか為になる話を本日はお届けします。

 

お、目の色が変わりましたね?! りけいのりは、あなたの恋愛を応援するオフィシャルサポーターですから、リラックスしてご覧ください。

f:id:ReK2Science:20201107202900p:plain

好意を寄せる一つの要因

せっかく恋愛ということをタイトルに載せたので、"好意"について考えてみましょう。あなたは、どの様な条件が揃ったとき、相手に"好意"を寄せますか? きっと、人それぞれの原体験から、多種多様な答えが聴けると思います。

  • 趣味の会う人には自然と好意を寄せてしまう
  • 清潔感があると良いかも
  • やっぱり優しさが大切なのでは?

ここで1つ、科学的な答えを発表します。それは、次のような効果です。

単純接触効果 (Mere Exposure Effect)

ある対象に反復して接触することで、その対象への
好意度が高まる現象と呼ぶ。

引用: *1

原著: *2

 なんとも、単純な効果です。接触回数が増えれば増えるだけ、あなたは対象に好意を寄せてしまうのです。この効果は、原著論文の著者に由来して、ザイオンス効果とも呼ばれたりします。

 

では何故、単純接触効果により、人はなぜ好意を寄せるのでしょうか。ここには、対象への接触による記憶と大きな関わりがあることが指摘されています。

 

現在の心理学において、記憶には2種類存在することが指摘されています。

顕在記憶潜在記憶です。これらは、記憶されるシステムや機能など、質的に大きく異なる記憶であることが分かっています。特に単純接触効果は潜在記憶に関係しています。では、潜在記憶とはどのようなものなのか。

潜在記憶: Implicit memory

別名:手続き記憶。自転車乗り、水泳、タイピングなど、主として運動記憶によって獲得される技能の記憶に代表される、意識されない記憶

引用: *3

意識に上らない記憶を科学で議論するというのは、計測などに工夫が必要であり、純粋に"すごい概念だな"という印象をりけいのりは受けました。とは言っても心理学の教科書には普通に乗っていることなので、現在潜在記憶の概念は当たり前に受け入れられています

 

以上、単純接触効果をまとめると、潜在記憶が対象物を覚えていることで、対象物との反復的な記憶強化がされ、結果として潜在的に親近感を覚えるようになるのです

 

続いて、単純接触効果のもたらす様々な効果についてです。

 

単純接触のもたらす様々な変化

身の回りの単純接触効果

単純接触効果は、ビジネスにおいて重要視されます。例えば、次のようなものが挙げられます。

ドミナント戦略

大手コンビニエンスストアが密集しているのは、戦略的な意図がある。こと、心理学的な側面においては、単純接触の回数が増大することで、"コンビニ=○○という"イメージの定着を図る。

コマーシャル(CM)

人が一日にCMを視る回数は194回といわれている*4。その中には、頭に残るフレーズやスタイリッシュなモデルが起用されることで、我々の脳内に企業の情報を取り入れてもらう。同じCMに何度も接触することで、単純接触効果がはたらく。

せっかくだから、恋愛にも生かしてみたい(妄想)

単純接触効果を用いて誰かにアプローチをしたい!! そんな時は戦略的に行きましょう。作戦名は、「偶然を必然に!作戦」です。※ただの妄想が多分に含まれます。取り扱いにはご注意ください。

この作戦は、我々の意図を隠して偶然を装い、単純接触効果を狙う作戦です。クラスに好きな人がいるど中々話しかけられないあなた。話したいけど、口べたで場が凍ってしまったらどうしようと不安なあなた。

しゃべらなくていいんです。

  • 視界の隅にいる
  • めちゃめちゃ一瞬目を合わせる
  • ハンカチをその人の前で落とす(これはヤバいか)

このようにして存在を反復的に認知してもらい、その後にきっかけを作ります。潜在記憶の力を借りることで、恋愛成就を図ります。これらは全部妄想です。一応科学的根拠はあります。あとは、やるか、やらないか。

 

おわりに

単純接触効果、いかがでしたか? 意外と身の回りに存在する単純接触効果は、

  • 身の回りに応用されていること
  • 身の回りで応用できそうなこと

が分かりました。何度も接触をするということが好感度を高める秘訣である、というのは、単純でありながら強力な武器になりうることでしょう。このように、心理学を学ぶということは、心の癖を理解し、客観視し、利用することにつなげられるのです。

 

以上、りけいのりがお届けしました。

参考文献

*1:

川上直秋 (2015), 単純接触効果と無意識─われわれの好意はどこから来るのか─, エモーション・スタディーズ, 1(1), 81-86.

http://jsre.wdc-jp.com/emotion/pdf/es01_1/81-86.pdf

*2:

R.B. Zajonc (1968), Attitudinal effects of mere exposure, Journal of Personality and Social Psychology, 9, 1-27. 

https://psycnet.apa.org/record/1968-12019-001

*3:

青木紀久代, 神宮英夫, カラー版徹底図解 心理学, 新星出版社, 第3章 学習・思考・記憶-学ぶこと, 考えること, 記憶と忘却の心理, 3 顕在記憶と潜在記憶.

*4:

「1日あたりのCM接触回数は約194回/純粋想起されるCMは約3割」2014年上半期のCMトレンド分析【デジタルハリウッド大学特別講義】, 安成 蓉子, 2014/07/17, Accessed: 2020/11/07.

markezine.jp