本日も、りけいのりがお届けします。
今回の記事のテーマは、情報収集についてです。対象読者は次の通り。
- 理系の学生
- ビジネスパーソン
- 論文の検索方法を学びたい人
情報収集は、あなたの行っている研究や仕事の基礎を固め、推進する上で非常に重要な作業です。ここが疎かになっていると、いくら労力をかけたとしても、見当違いなアウトプットを出すことになります。
よって、1. 情報収集の意義、2. 論文検索のすゝめ、というパートに分けてコンテンツをお届けいたします。
情報収集の意義
まず、情報収集という作業が、どの様な位置づけに当たるかということです。以下、研究になぞらえて紹介します。
研究においては、以上のようなステップを辿ります。
- モチベーションの存在、発生
- 研究意義の発生、仮説設定
- 実験データの取得
- 実験データの考察と仮説検証
- 研究成果の発表
これをビジネスパーソンの仕事に対応させると、次の通りになります。
- 業界における問題点、課題点、ビジネスチャンスの発生
- 自社がその課題に取り組む意義の発生、ブレイクスルーポイントの仮定
- 市場調査、ユーザーインタビューによるデータの取得
- 得られたデータの考察および仮定の正誤評価
- 次のプロセスに知見を利用
いずれにおいても、1.および2.という
- 自身の置かれている業界の状況を知り
- そこで自分には何ができるのか、何を検証するべきなのか、課題(仮説)を設定する
ことが重要になるわけです。
この作業は、今後行う研究プロジェクトや仕事の方向を定めるものなので、ここでのミスが時間発展に伴い大きくなってしまいます。
よって、確かなデータを基に、現状を把握し、仮説を設定することが重要となります。
では、確かなデータはどのようにして得られるのでしょうか。
それが、論文となります。
論文検索のすゝめ
論文と聞くと、多くの方にとっては拡張高く、またイメージが湧きずらいメディアではないでしょうか。しかし、身構えなくても大丈夫です。意外と簡単に調べることができます。
本記事では、原著論文 (独自性のある研究成果を掲載する論文) の中でも、"OPEN ACCESS"に分類される論文が多く掲載されているサイトを紹介します。OPEN ACCESSは、所属機関あるいは個人を通したライセンス契約を必要とせず、誰でも閲覧の可能な論文であることを示します。
今回は、
- Science Direct (サイエンスダイレクト)
についてご紹介します。
Science Direct
Science Directは、オランダの出版社、エルゼビアが運営する、1997年に設立された論文検索サービスです。"りけいのり"も良く使っており、非常に優しいUIでると個人的に感じています。おすすめのサイトです。
因みに、大木と老人のロゴマークは、アムステルダムの旧社屋にレリーフとして掲げられていて、エルゼビアのモットーである"Non Solus – 一人ではない"が記載されています1)。
では、実際にサイトを検索してみましょう。
以下、リンクです。
検索エンジンから検索する場合は、このようになります。
それでは、サイトに入ってみましょう。
現在 (2020年10月)は新型コロナウイルスに関しての情報が掲載されています。ここで、検索のKeywordsに"Environment"と入力し、虫眼鏡マークをクリックしてみます。
Environmentという検索に対して、約400万件のヒットが得られました。ここでは、絞り込み検索を活用して最新の論文を調べます。
Refined by: の2021のチェックボックスをクリックすると、検索結果が更新されます。検索結果を下にスクロールすると、OPEN ACCESSが見つかりました。
論文のタイトルをクリックしてみましょう。
因みに、
- ダウンロードする場合;Download this article → PDFファイルが得られる
- 引用する場合;Export→Export Citation to ○○ →所定の書式にて引用データが得られる
とすると便利です。以上の操作から、自分の望みの情報を検索、ダウンロード、引用することができるようになります。
今回紹介したSicenceDirectの他にも、
は、OPEC ACCESSの論文を数多く閲覧することができます。
おわりに
今回ご紹介した論文検索サイト以外にも、CAS (Chemical Abstracts Service)の提供するSciFinderや、アメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)の提供するPubMedが存在します。これらはいずれも、研究機関等がライセンス契約をしたり、論文の購入をすることで閲覧が可能になります。
今回は、論文の検索方法についてご紹介しました。グローバリゼーションに伴い、ヒト、モノ、カネ、情報の流動性が高まり、世界はこれまでにないスピードで変化しています。
そんな中、確か情報を得るための術として、論文検索が重要となります。もちろん、
- 論文には最先端の内容が含まれることから、内容が覆ってしまうこと
- 人が執筆している以上、誤りを含むこと
は看過できません。しかし、あなたの直観に頼らず、先人のデータを参考に、しっかりとした論理をインプットできる点では、論文は重要な媒体です。適切な論文を取得し、読む能力は、今後の時代を生きるヒトにとって重要なスキルになるでしょう。
以上、りけいのりがお届けしました。
参考文献
1) エルゼビアの歴史、ELESEVIER、Accessed: 2020/10/23.