本日も、りけいのりがお届けします。
今回も引き続き、大学院入試を控えるあなたに贈る記事です。前回までに、
- 大学院入試のためのマインドセット
- 大学院入試に向けた研究室の選び方
- 大学院入試における受験科目の決め方とその他注意事項
についてお話しました。特に、本記事は前回記事の延長にある内容です。併せてこちらもご覧ください。
今回は、大学院入試の本丸ともいえる、筆頭試験についての内容です。意識するのは、やみくもな勉強ではなく、データに立脚した勉強です。
今回紹介する王道の勉強法は、このような手続きを踏みます。
- 情報収集
- 勉強計画の設計
- やるべきことを毎日淡々とこなす
それでは、早速内容に移りましょう!!
徹底的な情報収集
ここでは、勉強に手を付ける前にまず行うべき、情報収集についてお話します。この節で紹介する情報収集と、次節の勉強計画は、これから行う勉強の方向性を決定する重要な項目になります。
ここでは、物理化学関連分野についてまとめてみました。例えば、
- あなたの志望する大学にて頻出される分野が、化学熱力学である場合
- 例年の傾向として化学熱力学が出題されれる可能性がある場合
であると、もちろんあなたの勉強するべき内容は化学熱力学とその関連分野である熱力学などに労力を投資するべきです。
そして、内部生の学生は、やるべき勉強の内容については良く分かっていることでしょう。ここで、情報優位性に後れを取らないために、まずは自分のこれから始める勉強の分野を決めてしまうことが大切です。
この場合、統計力学や反応速度論に労力を投資した学生は、内部生や適切な勉強分野を設定した学生と比較して、受験では不利になります。
ここで、りけいのりなりに、大学院入試における勉強量の定義を行います。
ここで、勉強量は、
- 勉強内容の質: 定性的
- 勉強取り組みの質: 定性的
- 勉強した時間: 定量的
の積で示せるものとしました。ここで, 情報収集は初項である勉強内容の質に大きく影響します。データに立脚した勉強を行うために、情報収集を行うのです。
それでは、どのようなところから、自分のこれから行う勉強を決めるデータを集めるのか。それは、
- 過去問: 最重要
- 内部生の友人の話: 重要
- 勉強するべきだと判断できる分野に関連した授業のシラバス: 差別化
です。順を追って説明します。
1.については、言わずもがな。最重要事項です。過去問と全く同じ問題が出ることは決してありませんが、大いに参考になるものと判断して良いでしょう。できるだけ多くの過去問に触れることが大切です。過去問を作る先生は変わらないことも多く、癖などが見えてくると良いです。
2.については、どのような先生が問題を作っているのか(作っていそうか)、どの分野の勉強が狙い目か、どのようなテキストを使っていたかなどの情報が得られれば良いです。特に、その学科においてどの先生が力を持っている先生なのか、または新人の先生なのか、把握できると良いです。
(研究室のホームページの業績、在籍期間から判断する手もありますが、骨が折れる作業です。)
3.では、1. および2.で得られた情報を、総合的に判断して、重要だと思われる、学部・大学院で開講している授業にあたりをつけます。その授業の内容は、学部生に理解してもらいたい内容なので、必然的に受験でも出る可能性が高いと言えるでしょう。ここで、シラバスのテキストを参考にすることができます。
実際に、りけいのりの体験談として、この情報収集を行っている際に、全く過去問と同じ問題を掲載しているテキストを発見しました。相当なアドバンテージを手に入れることができます。
以上が、今後の勉強の方向性を決めるための情報収集でした。続いて、実際に勉強の計画を立てます。
勉強計画
この記事を読んでいるあなたは、受験当日まで3カ月以上の時間があることを前提としてお話をしてきました。基本的にこれだけの期間あり、計画性のある勉強ができれば、合格できるでしょう。
ここで意識をしたいのが、無理のない勉強です。大学院入試は、詰め込み式の勉強ではなく、むしろ、
- 論理的思考力
- 視点の切り替え能力
等が重要になります。つまり、次式の第2項が大切になるわけです。
ここで、勉強計画における目標を、
- 時間目標
- 成果目標
に分けて考えます。
まずは、時間目標の設定です。1日12時間の勉強を、3カ月以上毎日こなすことは、現実的ではないでしょう。毎日、こつこつと継続してできるだけの量を、設定します。勉強の目標時間設定の一例を示します。
- 睡眠時間は7時間あれば、思考が明晰に働く
- 一日3食、各食30分、風呂も30分、朝の支度、...→一日3時間の固定的な時間投資
この時点で、あなたの一日は12時間となりました。ここから、一日どの程度卒業研究や仕事に時間を使っているのか、ということを把握します。
そして、最後に余った時間が、あなたの勉強時間になります。このように設定した勉強時間であれば、取り組みの質は担保されます。
そして、勉強計画に大切なもう一つの目標は、成果目標です。あなたのその分野に対する理解度がどの程度向上したのか、ということを定期的に計測する必要があります。大学院入試の1週間前には、過去問はスラスラ理解できていることが理想です。この状態を目指して、成果目標を設定するには、次の工夫ができます。
- 同大学院、あわよくば学部へ行く友人を見つける→定期的に模試を出し合う
- テキストの問題集で重要だと思われる問題をピックアップし、1週間後に解けることを確認する
など、方法は十人十色でしょう。
ここで、複数科目を受験する必要のあるあなたには注意点があります。大学院入試の一カ月前になったら、受験予定の科目すべてに触れるような勉強をすることです。1科目30分でも良く、1題でも良いです。とにかく、受験予定の科目から頭を離さないようにしてください。
以上の点に注意して立てた勉強計画は戦略的で、無理がありません。
勉強を淡々とこなす日々
ここからは、勉強を淡々とこなすだけです。次式の第三項に当たります。
とはいっても、これが難しい。定常的な勉強には、安定的なモチベーションが必要です。モチベーションの維持には、りけいのりとして以下の方法をお勧めします。
- 同大学院を受験する仲間を見つける
- 勉強計画および勉強はできるだけ紙ベースで
- その日に行う勉強を朝にリストアップする
1.としては、同じ目標を目指すライバルが近くにいることで、もう少し頑張ろうというブーストを発生させられます。互いに情報共有をすることで、重要な情報を取りこぼす心配も少なくなります。
2.としては、勉強内容によりけりですが、紙の方がモチベーションを維持しやすいです。紙という物理的な媒体が、勉強の進行に即して増えていくのを見るのは、自信を与えてくれます。この方法は、本質的ではないが、モチベーション維持には効果的です。
3.としては、朝に今日やる勉強をリストアップすることで、無駄な不安から解放されます。ここでの無駄な不安とは、
- どれだけの勉強をすれば十分か分からない
- 周りの受験生はどれくらい勉強しているんだろう
など、答えの出ない不安です。毎日、達成感をもって眠るために、一日でやることを、無理のない範囲でリストアップするのです。努力目標などは設定しても良いでしょう。
このように、自分を時に騙しながら、自分は進んでいるという足掛かりを持つことで、人は同じことを淡々とこなすことができるのです。
おわりに
無鉄砲にやろうとしても、非効率的。
そこで、本記事では、筆頭試験にて成果を上げるための3つの手続きについてお話しました。これを、着実に試験本番まで行えば、あなたは必ず成長することができます。
やるかやらないかはいつもあなた次第。
大学院入試を勝ち抜くために、最高の勉強期間を過ごしませんか?
以上、りけいのりがお届けしました。