本日も、りけいのりからお届けします。
今回も、りけいのりの経験を生かして、
大学院へ行きたい、あなた
に贈る記事を書きます。前回までに、
- 大学院入試にて携えたいマインドセット
- 受ける大学の決め方
について書きました。まだ読んでいない方は、是非ご覧ください。
情報の優位者となり、大学院試験を有利に乗り越えましょう。
前回の記事はこちら。
今回の記事では、1) どのようにして受験科目を決めるか、2) その他受験に際しての注意事項についてお話します。
どの様にして受験科目を決めるか
前回の記事の流れを汲んで、志望研究室が確定していることを前提とします。そして、重要なこととして、試験本番までに3カ月以上の十分な時間があることを前提とします。ここでの勉強は大学院に行ってから生きるものが多いです。
物理化学の問題集としては名著である、染田先生の著書のまえがきを引用します。
(前略) しかし, それ以上のことを読み取っていただきたい。それは, “大学院に入学して研究室で実験研究を行う学生諸君には是非ともこれだけは習得しておいてもらいたい”という出題者の要望である1)。
そうなんです。ここでの勉強を、付け焼刃で乗り越えてはいけないんです。問題の論理をしっかりと理解し、問題を解けるようになってこそ、大学院にて研究を存分に行うチケットが得られると思った方が良いのです。
重要なので、この点を明確にします。
- 大学入試:詰め込み式の勉強が多くなりがち
- 大学院入試:論理を理解し、実際に運用できる実力を養うことが大切
この点は、本連載シリーズ第1回で出てきた、高校と大学の違いにも似ています。
大学院にて、あなたの力はインプットではなくアウトプットで評価されます。
大学院入試の勉強の前提をお話したところで、科目をどのように選ぶのかということについて。これは、単純明快な答えがあります。
あなたの一番得意な科目で挑みましょう。
すみません。溜めに溜めたのに、ありきたりな答えですね。でもこれしかありません。
あなたが最も実力を発揮し、そして最も合格できる可能性が高そうだと思える科目を選ぶしかありません。
目的は受かることです。
気持ちが先回りして、大学院で必要そうな科目を学ぶ、ではダメだとりけいのりは考えます。目的は、受かることだからです。
受かれば、そのあとで必要な勉強は沢山すればよいです。
今は、目の前の、人生すら大きく左右する試験に集中しましょう。
その他注意事項
ここからは、読んでいるあなたによって伝えることが変わってきます。
ズバリ、
- 内部から大学院進学をするか
- 他大学からの大学院進学をするか
ということです。
内部から大学院進学をする方へ
基本的には、内部からの進学は外部からの進学と比較して、有利です。情報格差、勉強してきた内容の違いが、圧倒的にあなたを有利にしています。
注意してほしいのは、以下の2点です。
- 大学院の選択肢はもっとあるということ
- 落ちることもあるということ
これさえ注意すれば大丈夫です。
まず1点目については、周りの仲間が皆、内部進学で大学院へ行くので、そもそも考えにも及ばない人がほとんどでしょう。だからこそ、今一度考えてほしいのです。これからの研究室生活を送るのは、そこで良いのでしょうか。もっとやってみたい研究は無いのでしょうか。あなたにも、選択の権利があります。人生は自分で決められます。既定路線にとらわれず、今のあなたが興味のあることに、従順になりましょう。
続いて2点目については、受験の摂理です。これは、当たり前のことを言ってみました。本当に、大学院進学をしたいのであれば、こつこつとやることをこなしましょう。そうすれば、あなたは合格します。
他大学から大学院進学をする方へ
内部生と比較して、あなたは不利です。でもこれは仕方の無いこと。何故なら、大学は内部生を進学させてあげたいし、大学をよく理解しているのもやはり内部生だからです。でも、こんな事実もあります。
あなたのような外部の人間を求めていること。
組織の健康には、一定程度の新陳代謝が必要です。大学院の中身が凝り固まらないのは、あなたのような外の人間を取り込んでいるからです。
りけいのりも、外部からの大学院進学をしました。だから、あなたの不安な気持ちはよくわかります。
大学院入試にこそ不利ではありますが、他の外部受験生に対しては情報の優位性を発揮できます。そして、入学後に、あなたは様々な恩恵を得ることができます。
- 情報優位性の獲得
- モチベーションの違い
- 入学後の恩恵
についてそれぞれお話します。
まず、1点目の、情報優位性獲得について。この情報優位性は、あくまでも外部からの受験生に対して考えます。そもそも、有している情報に関して内部生と戦うと、天と地の差になってしまいます。なので、このポジションを目指すのです。
そのためにできることは、徹底的に行うのみです。
では、外部生に対して情報優位性を発揮するにはどうすればよいのでしょうか。それは、情報を取りに行くことです。例えば、
- 志望大学院または大学の友達を作る
- 研究室見学に行く
- オープンキャンパスに行く
等です。やっぱり、知り合いや友人がいるのはとってもアドバンテージです。内部のことを色々聞かせてくれます。我々にとっては、まさに金言。非常にありがたい言葉なのです。
何も、入試のために友達を作れ、と言っているのではありません。入学後の親友になるかもしれない人を見つけろ、ということが言いたいのです。
あなたが合格した場合は、是非ご飯でもおごってあげてください。あなたは、彼/彼女のおかげで合格できたことを自覚するべきです。
初対面の人と話すのが苦手だから、、とか、そういう理由でこの戦略をとらないのであれば結構です。この記事では、あなたの大学院受験合格のためにできることを述べているので、やるかやらないかはすべてあなた次第です。
知り合いを通じて紹介してもらう手もあります。やれることはたくさんあります。
モチベーションの違い
内部生と比較して、外部生のモチベーションは高いです。何故なら、わざわざ大学を変えてまで、その研究室へ行きたいパッションを持っているのだから、当然のことですね。これは、外部生の有利な点です。
特に、この記事を読んでくれた皆さんのモチベーションは、外部生の中でも高いと思います。何故なら、このようなブログに出合い、しっかりとここまで読んでいただいるからです。
こうなれば、内部生の仲間を獲得し、モチベーションも高いあなたは、あなたの戦闘力は、53万、どころではありません。戦略的な勉強計画を立てて、勉強量を少しずつ増やしていきましょう。
入学後の恩恵
無事合格し、大学院に入学できたあなたには、沢山のメリットが待っています。
異なる大学文化で育った人間が大学院へ進学することは、幅広い情報を手に入れられるということです。内部生にはないアイデンティティを持ち、研究に対しても複眼的にとらえられる能力があります。
最初こそ大変ですが、人生にとっては大きなプラスになるでしょう。
おわりに
いかがでしたか? 今回は、受験科目の決め方と、その他注意事項についてお話しました。
To 内部生: 安定的に、やるべきことをやることが、受験期においては重要です。モチベーションは低下しがちなので、仲間を募って受験に備えましょう。
To 外部生: 何といっても、内部生と外部生の間には無視できない情報格差があります。それを理由に、精神的にも劣勢になるのは勿体ないことです。内部生にはなくて、外部生にあることを理解してほしいと思います。
次回以降は、試験に向けた具体的な対策についてお話します。
以上、りけいのりがお届けしました。
参考文献
1) 染田清彦 (2016, 初版1997), 物理化学演習Ⅱ -大学院入試問題を中心に- 第5刷, 株式会社東京化学同人, 序より.