本日も、りけいのりからお届けします。
今回取り扱うテーマは、サイエンスにおいて重要なコミュニケーションについてです。学会における口頭発表やポスター発表、そして論文による研究成果発表は、サイエンスの発展において必要不可欠です。ここで大切なのが、祖語の無いスムースなコミュニケーション。分野の異同を問わず、重要なポイントです。
そこで、本記事では、地に足のついた議論をするために参考になるTipsをご紹介します。コンテンツは、株式会社リバネス様のHPに則っておりますので、まずはこちらをご覧ください。
このTipsが、もっと多くの人に広まれば良いな、という思いで筆を執りました。それでは早速本題に入りましょう。
"たちつてと"
威力
あなどるなかれ。この"たちつてと"は、生産的なコミュニケーションを進めるために絶大な威力を発揮します。記事のタイトルには、りけいのと銘打ってこそいますが、全人類が使うべきツールだと、りけいのりは考えております。
これから紹介する、"たちつてと"は、曖昧な議論を避けるために利用します。お互いが何を話しているのか明確に認識し、感情的にならず1つのゴールを共に目指す。ディスカッションの本質を地で行くために考えるべき内容が詰まっています。二人三脚のようなイメージですね。
現代社会には、ディスカッションの意味をはき違え、感情的になり、非生産的なコミュニケーションが、大小を問わず繰り広げられています。当人が何を話しているのか理解していないことも多々あります。りけいの"たちつてと"を意識した会話は、このように発生してしまう無駄な時間を省略し、相手と自分をゴールに連れて行ってくれます。
敵意はありませんよ、という意味での"さしすせそ"はあっても良いのかもしれません。
(※さしすせそ: さ: さすがです。し: 知りませんでした。 す:すごいですね。 せ: センス良いですね。 そ: そうなんですね。)
ただし、さしすせそに立脚した会話はほどほどに。それ自体に本質的な意味は無いので。要するに、議論を行う相手へのリスペクトが前提で、りけいのたちつてとは機能するのです。
それでは、たちつてとの中身に移ります。
た: 例えば?
まずは、た。例えば?のた。
話の内容を理解するのに、比喩表現は効果的です。自分と相手に新たな知的接続を設ける際に、お互いが共通して知っている事柄を引き合いに出すことで、効果的なコミュニケーションを行うことができます。その例えが、話している内容そのものを表すことはまずありえないので、あくまでも理解を促進するために使用する質問です。
学会では、
- 相手の話している内容が分からなかったとき
- 話している内容に、より具体性を持たせたいとき
などに利用することができます。
ち: 違いは?
次に、ち。違いは?のち。
話の中に、複数の事柄が出てきたときに、理解を深める上で違いを知ることは重要です。複数の事柄の相対的な関係を理解し、一方の理解を他方の理解へとつなげます。
学会では、
- 先行研究と比較した際の新規性・独自性を感じられなかった場合
- 話題に上がる事柄において、それぞれの間に存在する関係性を明確にしたい場合
に有効な切り出し文句です。
つ: つまり?
次に、つ。つまり?のつ。
相手の会話が冗長であったり、何を言いたいのか分からないと感じたときに有効です。議論の内容に関係の無い話は、緊張状態をほぐしたりする上では効果的ですが、生産的なコミュニケーションの観点からは、あまり望ましくありません。過度な余談は、議論のミスリーディングや、内容の誤解、会話の内容を忘れられることにつながりかねないためです。
学会では、
- 結果と考察を延々と話しており、一向に主張や結論を聞くことができない
- 漠然とした内容の話が続く
こういった場合に有効なフレーズです。冗長なコミュニケーションは、限られた学会の貴重な時間を損ねてしまいます。相手にとっても自分にとっても良いことはありません。
て: 定義は?
次に、て。定義は?のて。
りけいのりとしては、たちつてとの中でも、この"定義は?"というフレーズが特に重要であると感じています。現実世界においても、会話中で使われる語句の定義がはっきりしないコミュニケーションが頻繁に見受けられます。そのような状況においてのコミュニケーションは、常にふわふわしたものとなってしまい、導かれる結論もやはりあいまいになってしまいます。会話の祖語を減らし、地に足の着いた議論を行う場合に役立つフレーズなのです。
学会では、
- 相手の使用しているテクニカルタームが一般的でないとき
- 相手の話している内容が分かりづらいとき
に有用です。
と: 統計学的な裏付けは?
最後に、と。統計学的な裏付けは?のと。
これだけ、やけに長いフレーズですね。しかし、サイエンスに立脚した議論を行うのであれば、重要です。(日常生活で使うことはあまりないかもしれません)
つまり、議論の中心となるデータに、統計学的な信頼性があるのかということを問うています。信頼区間はどの程度なのか、有意差はあるのか、データ数は幾つなのか、母集団の分散など前提情報は何か。チェックするべき項目は色々とありますが、これを愚直にこなしてこそ、意味のあるデータが得られます。
意味のあるデータに関する議論をして、はじめて意味のある考察やアイデアが生じてくるといえるでしょう。
学会では、
- 示されているデータ間での検定データが見いだせない場合
- サンプル数が少ない場合
など、議論の基盤を強固にしたい場合に利用できるフレーズです。
おわりに
今回の記事にて紹介したりけいのたちつてとは、日常生活においても応用できます。学校や職場などで、生産的な議論をしたいときに使ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、家族や恋人との会話で、りけいのたちつてとを使うことは推奨できません。きっと、嫌われてしまいます。さしすせそで行きましょう。
以上、りけいのりがお届けしました。